高垣彩陽 『relation』
- アーティスト: 高垣彩陽
- 出版社/メーカー: ミュージックレイン
- 発売日: 2013/04/17
- メディア: CD
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4人組ユニット、スフィアのメンバーでもある高垣彩陽の1st。
シングルとそのカップリングからの再収録が14曲中8曲あり、アルバムとしての統一感はあまりありませんが、大学時代声楽科専攻だったということで、アルバムを通して様々な曲調で彼女の歌唱力がアピールされています。ロックに留まらず、スケールの大きいシンフォニックな楽曲を高らかに歌い上げる所なんかは、Kate Bushや彼女の敬愛するKOKIAにも近いように思います。
今作ではSee-Sawの石川智晶、Elements Garden(藤田淳平・中山真斗)、eufoniusの菊地創が曲提供しており、トリッキーな楽曲が特徴の面々が揃っています。
そんな中で加藤裕介の手掛けた#4"共鳴のうた"は、ダイナミックなメロディーとともに今堀恒雄チックなカッティングギターや、細かくハイハットを刻むプログラミングから少し菅野よう子を意識したようにも思える一曲。作家や曲のチョイスからも、高垣彩陽のテクニカルな方面への関心・志向が窺われます。
#12"夢のとなり"は、戸松遥や梶裕貴にも楽曲提供するUNISON SQUARE GARDENの田淵智也による曲(編曲:黒須克彦)。彼の得意とする疾走感のある爽快なロック曲と、高垣彩陽のヴォーカルを活かすための折衷案が"Bohemian Rhapsody"だったということで、彼女の歌唱力を存分に発揮させながら、ロック的なカタルシスも強く感じられる奇妙だけど面白い曲です。
末光篤による#14"たからもの"は、彼らしいミドル~ローテンポの穏やかなピアノロック曲。緊張感のある曲が続いた後での肩の力の抜けた歌声が心地良いです。最後の合唱になる所なんかは"Hey Jude"みたいだなーと思いました。
激しい曲や、壮大な曲が並ぶアルバムですが、不思議と印象に残ったのは穏やかな曲での落ち着いた歌声。次作以降ではそんな面にももっとスポットライトが当たればいいなと思いました。