2013年ベストの前に2012年声優アルバムベスト
2013年のアルバム聴いてるうちに、これ去年のだったのか…というのに気付いて、後出しジャンケン的に2012年声優アルバムベストです。(リリース順)
- 堀江由衣『秘密』(KING RECORDS)
キャリアを重ねてもこれだけ意欲的で挑戦的な作品が作れるということを示したアルバムでした。彼女が曲をブン回しているのか、リスナーが振り回されているのか。
- 中島愛『Be With You』(flying DOG / Victor Entertainment)
ヴォーカルの切れ味もさらに磨きがかかって、既に堂に入った感じがある2nd。シングルのカップリングも含めて、ソウル的な楽曲も良いなーと思った作品でした。Rasmus Faberとの"TRY UNITE!"で確立させたハウス路線もなんとか継続させてほしいです。
- 悠木碧『プティパ』(flying DOG / Victor Entertainment)
1stからいきなり独自の世界観を確立させ、この後の2ndリリースでその世界観をさらに深化させました。トイトロニカ風の曲はヴォーカルもかなり演技がかっていて、楽しくて好きです。
- 宮野真守『FANTASISTA』(KING RECORDS)
宮野真守はいつもクオリティの高いアルバムをリリースしてくれますが、『FANTASISTA』はまさかのKREVAも迎えて、エンターテイメント性の高いアルバムになっています。基本はElements Gardenのインダスロック系とニューエレクトロ系。この人の強弱の効いたダイナミックなヴォーカルは、ファンクとかが合うと思うんですよね。
- 平野綾『FRAGMENTS』(UNIVERSAL SIGMA / Universal Music Japan)
kz(livetune)、矢野博康(ex.Cymbals)、fu_mou、前山田健一、ニルギリス、渡辺翔、クボタマサヒコ(kuh、ex.BEAT CRUSADERS)、Novoiski(Moonbug)と豪華な布陣を敷いたアルバム。新しい方向を模索し続ける攻めの姿勢に感服します。欲を言えば充実した声優業での引き出しの多さが反映されたらなーと思います。
アートワークから北欧の森を意識したような、アンビエントな楽曲が並ぶアルバム。eufoniusがメインに楽曲提供していて、mumのような幻想感のあるフォークトロニカ的要素が散りばめられたミニアルバム。
- 池澤春菜『ファンダムジカ』(WAVEMASTER HAPPIES)
毎回コンセプトを立てて作りこんだアルバムをリリースする池澤春菜のアルバムシリーズの第4弾。歌を通しての演技という面で、声優アーティスト的スタイルが確立される以前の声優アルバムのコンセプト主体のスタイルを思い出しました。
- 喜多村英梨『RE; STORY』(KING RECORDS)
2回のレーベル移籍を経ての初のフルアルバム。自身の嗜好も反映された、シンフォ~メロスピ~スラッシュなどをフォローしたメタル色全開のアルバム。本人が思うようにやれている感じが何より楽しいです。曲毎に声色を変えて細かく歌い分けしていて、ヴォーカリストとしてもやっぱり器用な人なんだなと再認識したアルバムです。
- 寿美菜子『My Stride』(Music Ray'n / Sony Music)
勢いのあるUSロック~パンク、フォークを基本にした王道的な内容の1st。丁寧な歌唱が印象的で、優等生な面が出た爽やかな後味のアルバムです。個性的な面々の集うスフィアですが、ビートルズにおけるジョージ・ハリスンのような安心感を与えてくれる存在の彼女です。
永野護監督作品の映画『ゴティックメード』の公開に合わせて、ボーナストラックを加えてリマスタリング再発された91年のアルバム。細野晴臣も楽曲提供していて、アンビエントでエキゾチックなムードのある作品です。坂本龍一の80年代中期~後期の作品『音楽図鑑』『Beauty』や、鈴木惣一朗のWORLD STANDARDのアルバムを思い出すような内容。リヴァーヴの効いたヴォーカルが心地よい、声をフィーチャーした声優らしいアルバムです。