9/18(sat) short film no.9 presents "slow step stroll" @CLUB ROCK'N'ROLL

出演: LIVE: slow / CONDOR44 / short film no.9 DJ:OGA(Crevasse65)

●slow

冒頭から長いインスト曲を立て続けに演奏し、その演奏のあまりの緊張感は、拍手すらためらわれる程の張り詰めた静けさで会場を支配していました。

夜空を連想するような壮大でロマンティックなslowのいつもの世界観に加えて、この日はギターが発する強力な轟音のパワーによって、自分たちの世界に引きずり込んでいくような音の力強さを感じました。彼らの曲の構造はシンプルなのですが、それによってそれぞれの楽器の演奏が一つのメロディーへ収斂していっているように感じられました。最後の曲の絶叫によってカタルシスを得る様子は、終了後も会場にしばらくの沈黙を残していました。

 

CONDOR44

ざわめく様な演奏の中から立ち現れる、憂いを含んだ儚い歌声が、歪んだギターの作り出す隙間にサッと入り込んで、再び轟音の波に飲み込まれていくという混沌としたサウンドには、危うさと安心感が同居していて、このアンバランスさこそCONDOR44だと思います。

この日は、曲によってサポートメンバーの方がピアノとチェロの演奏参加していて、シャープな音色のピアノ、ソフトな音色のチェロが加わって、ノイジーで輪郭のぼやけたギターと絡み合うことによって、また新たな魅力が付随されたように思いました。

 

●short film no.9

レコ発ライブであり、イベント主催者でもあるshort film no.9。ライブ前の様子から緊張感を感じさせながらも、ライブ中のメンバー各々の動きは今までにないほど軽やかで、一番イベントを楽しんでいるようでもありました。

シューゲーザー的な空間を埋め尽くすようなギターサウンドもあり、ポストロック的なふわふわとしたサウンドもあり、真っ当なギターポップもあり、と様々なアプローチの曲を演奏したことによって、short film no.9の芯にある声の魅力とメロディーの魅力を確かに感じられました。そしてどんなタイプの曲でもツボをうまく突いてくるセンスの良さとバランス感覚の良さは、まだまだ彼らの進化する可能性を示していると思いました。