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James Blake at 名古屋・新栄 DIAMOND HALL (2013/06/06)

 アルバム『overgrown』発表後初の来日ツアー。前回の来日ツアーは行けずに相当ヘコんだので、今回は絶対行くぞと心に決めて、万難を排して向かいました。


 端正な顔立ちで内向的な面影に似合わず渋い声が印象的なジェイムス・ブレイクですが、アレンジについては非常に意欲的なリスナーの面が顔を出していて、曲毎にアクセントとなるようなネタが様々詰め込まれていました。今回のツアーは基本的にキーボード&ギターとドラムとの3人編成でライブを行なっているようです。人数は少ないですが、ドラムはパッドも使用、PAの方でもダブ処理をかなりかけていて、音色も細かく変化させていました。注目の"limit to your love"ではありったけの低音を出しているようでしたが、可聴域の限界かスピーカーの限界か、最低音まで行くと共鳴して振動する照明の音の方が大きく聴こえていたように思いました。

 ライブ全体としては、ジェイムス・ブレイクが自分の曲だけをかけるDJを聴いているような印象でした。深夜に部屋で酒を飲みながら、一人で盛り上がっている感じに似ていて、煽り立てるのでなく、孤独の世界に沈み込むのでもなく、フロアを巻き込みながら静かに高揚していく。彼の部屋に行って「この曲どうよ?」とレコードを聴かされているような、そんなベッドルーム的なリラックスした雰囲気が穏やかな緊張感と共に存在していました。

 そして会場の誰より楽しそうな彼の姿は、演奏を楽しんでいるというより、音に集中していて、スピーカーから鳴らされる音を楽しんでいるように見えました。頭を大きく振りながら音に没入していく姿は、本当に根っからの音楽好きなんだなと思えて、嬉しくなりました。