20191109 内田真礼のライブへ行った

 Zepp Nagoyaで行われた内田真礼さんのツアーへ行きました。

 本格的な全国5都市ライブツアーは今回は初めてとのことで、彼女はこのツアーは今後へのステップであると豪語して続く展開への期待を煽っていましたが、「ギミー!レボリューション」などアップテンポな代表曲で声が裏返ったり息が続かなかったりと歌のパフォーマンスは厳しい状況でした。「鼓動エスカレーション」や「youthful beautiful」といった曲を楽しみにしていた身からすると期待するクオリティに届いておらず、これ以上のキャパシティの会場を目指すならライブアーティストとして今以上のレベルアップが求められることは必至でしょう。
 また、アップテンポな曲では埋もれ気味な声を立たせようと懸命に熱唱してしまうことで、音源にある彼女の飄々としたキャラクター性が失われてしまっていることも、もったいなさを感じました。

 逆にミッドテンポで音数の少ない曲である「5:00AM」や曽我部恵一提供の「あなたに会いたい」 などは、声量やブレスの問題が解消され音源以上の細やかなヴォーカル表現を見せていたので、そちらの方に活路を見出すのが彼女の強みを引き出すのにはいいのかもしれません。

20190803 入野自由のライブへ行った

 名古屋ダイアモンドホール入野自由さんのライブへ行きました。

 冒頭からギターを手に歌いまくり、途中で初披露のピアノの弾き語りありなど、ミュージシャンとしての意気込みが存分に詰まった内容のライブでした。
 普段のキラミューンのイベントではダンスが用意されている曲でも、今回はダンスは封印し感情のままに歌い跳ね回る姿は表現への強い執着を感じさせ、自身がライブも見に行くと語っていた向井太一やスクービー・ドゥーなどのパフォーマンスに触発された部分もあるのではと感じました。

 音源では声の優しさが目立つので、思慮深い人かと思いきや、ライブでは直情的に叫び本能的なアクションが飛び出す面が目立っていて、舞台経験の豊富さに裏打ちされたステージ上での力強い存在感がありました。

20190429 早見沙織ライブへ行った

 東京国際フォーラムホールAで行われた早見沙織さんのライブへ行きました。

 音数の少ない曲や弾き語りの曲での緊張感ある歌の表現力は素晴らしく、さすが役者と思わせる繊細さと迫力がありました。

 彼女は声の立ち上がりが遅れてくるタイプなので、音数の多い曲やロックサウンドでは声が埋もれてしまう傾向があるように感じました。また声がアダルトな響きを持っていて歌謡曲然とした曲ではレトロな印象がより強まるため、現代性とのバランスが上手く取れている「Bleu Noir」が好印象でした。ライブでは音色やノリの部分でロック寄りのバンドと噛み合う瞬間が少なかったので、サウンド的な面も含めて今のライブ体制は再検討の余地があるように感じました。

 中盤の映像は映し出される内容が即物的過ぎて曲の世界観を広げるより妨げていたので、あまり好きではなかったです。

20190414 鈴木みのりライブへ行った

Zepp NAGOYAで開催された鈴木みのりさんのツアーの最終公演に行きました。
やっぱり8000人のマクロスオーディションを通過した人だけあって当然のように歌が上手い。とにかく歌声がパワフルでポジティブな力に溢れていました。ベースのキリンジ千ヶ崎さんとドラムのノーナリーブス小松さんの肉感的な演奏ともバッチリハマっていて、こういう曲が得意なんです!という自信や楽しさが伝わってきました。
持ち味であるポジティブな歌声は、内省的な曲でも声の明るさが前に出てくるので重々しくならない良さもあり、ブライトに響きすぎて感情がマスクされていってしまう面も見えました。坂本真綾さんのカバーである誓いを披露した時にはそれを強く感じて、本人は大ファンである彼女の曲を思い入れを込めてカバーしているけど、曲が持っているネガティブなものを多分に含んだ複雑な感情を表現するには歌声が朗らかすぎて、曲としては淡白な印象が残りました。
そんな1stアルバムや1stツアーらしいガムシャラさも、本人が意識してあえて打ち出している様子も伺えたので、実は戦略的で強かな人な部分を持っている人なのでしょう。